私のおすすめ「夏の童謡・唱歌」
2022年春、テイチクに誕生した新設制作部「LIFE and MUSIC」に所属する今年デビュー20周年を迎えた5人組コーラスグループのベイビーブーと、同じく結成から20年目を迎えた総勢12名の男女混声コーラスグループフォレスタ。
■フォレスタ
両グループとも今年で「20年」という節目を迎え、ともにコーラスグループとして「童謡・唱歌」をはじめ「様々な名曲を後世に歌い継ぐ」ということをテーマに活動しています。
師匠のボニージャックスさんから受け継ぐ王道コーラススタイルのベイビーブー。そして、クラッシックの発声法を活かした、他に類を見ない総勢12名の男女混声コーラスというスタイルのフォレスタ。
■ベイビーブー
スタイルやルーツは違えども「コーラス」を通じて伝えたい思いや、次世代への担い手としての覚悟は同じものがあると思います。
そんなコーラスグループの2組に「共通のテーマ」でアンケートを実施。
2組それぞれのメンバーがどのように答えているのか?
今回は、彼らのレパートリーとしてもお馴染み「夏」のおススメ童謡・唱歌についてと、それぞれの「夏休みの思い出」についてお話を伺いました。
■フォレスタ 石川和男(ピアノ)
①私のおすすめ「夏の童謡・唱歌」
歌って楽しい曲、私がお勧めするのは「あわて床屋」(北原白秋作詞 山田耕筰作曲
大正12年)です!
蟹の床屋とせっかちなうさぎの客とのやりとりを歌ったファンタジー。アップテンポで言葉のリズムも軽快です。
いろんな歌手が芝居っ気たっぷりに表情豊かに歌うのがまたユーモラスで面白いです。
もう一つぜひご紹介したい日本の歌は、「叱られて」(清水かつら作詞 弘田龍太郎作曲 大正9年)です。
幼い頃に母と生き別れた清水かつらが、親元を離れ奉公に出された子供の心境に自らを重ね合わせ作られたとも言われています。
ちなみに清水かつらにゆかりのある埼玉県和光市では毎年、『全国「叱られて」歌唱コンクール』が開催されており、子どもから大人まで出場者全員が「叱られて」を歌います。
(最近コンクール名が改称され、この曲が必須課題ではなくなったようです…)
そして最後に、夏に聴きたくなる日本の歌は、「九十九里浜」(北見志保子短歌 平井康三郎作曲 昭和10年)です。
九十九里浜を歌った曲はいくつかありますが、こちらは演奏会でも演奏されることの多い「日本歌曲」で、三首の連作短歌を詞にして曲がつけられたもの。「平城山」「甲斐の峡」とともに三部作として発表されました。
それぞれの部分ごとに曲調がガラッと変わり、短いながらとても壮大でドラマチック。移りゆく海の情景が見事に表現された大好きな曲です。
②私の「夏休みの思い出」
東北新幹線が開通したばかりの小学校1年生の頃、国鉄の企画で「新幹線ちびっ子ひとり旅」のようなものに母が申し込んでくれて、当時住んでいた東京から、福島県三春町のおじいちゃんおばあちゃんの家に送り出してくれました。車内では添乗員さんがいて、みんなでゲームをしたりと楽しい時を過ごした思い出があります。
翌年、その祖父母宅に引っ越し福島県民になるとは、その時思いもしなかったのでした…。
学生の頃の夏休みの思い出
新潟県佐渡市、旧新穂村にあった親友の実家にお世話になり、一週間ほど佐渡ヶ島の隅から隅まで満喫させてもらえたのは、今でも最高の思い出です。そんなバカンスが3年ほど続きました。世界遺産登録を目指す佐渡金山…人間の欲望が山をパックリ割ってしまった光景は圧巻です。
③「声を合わせて歌うコーラス」の魅力とは?
ピアニストとしてフォレスタメンバーを見ていると、一人一人の技術はもちろんですが、あうんの呼吸とか、音程を微調整して自分の声をハーモニーに巧く溶け込ませたり、曲によって音色を調整して合わせるなど、音符を超えた(楽譜にできない)さまざまなテクニックを駆使しており面白いです。
同じ曲を歌っても、グループや歌手によってそれぞれ目指す方向性が出るもので、それぞれの魅力に繋がるんだなぁと思います。
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