近年、音楽の楽しみ方の一つとして、若い世代をはじめ多くの音楽ユーザーが利用しているデジタル配信の「サブスクリプションサービス」(定額配信サービス:通称サブスク)で聞ける「大人世代が楽しめるオススメの1枚」をご紹介いたします。
■辛島美登里「Love Letter」(2012年)
リスペクトする小田和正さんの名曲をカバーした癒しの1枚
辛島が音楽を志すきっかけとなったのは、高校生の頃に聴いたオフコースの音楽でした。
それ以来、常に憧れであり目標であったメロディー・メーカー&シンガーの小田和正氏の作品を1枚のアルバムとして2012年にリリース。
彼女にとっての一大決心であり、ひとつの夢が叶った作品。
ピアノとストリングスが光るサウンドプロデュースは、小田和正氏バンドのベーシストである有賀啓雄氏によるものです。
<収録曲>
M1、生まれ来る子供たちのために
M2、さよなら
M3、I LOVE YOU
M4、君住む街へ
M5、倖せなんて
M6、Yes-No
M7、愛を止めないで
M8、ラブ・ストーリーは突然に
M9、たしかなこと
M10、Love Letter
<M10のみ辛島オリジナル新曲>
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辛島美登里から、小田和正さんに送られた“LoveLetter”
前略 小田和正さま
こんにちは、辛島美登里です。 とてもごぶさたしています。
ずっと長い間、私は小田さんのファンです。
高校の時、友人が誕生日にオフコースのアルバムをカセットにダビングしてプレゼントしてくれたのがきっかけで、今まで聞いたことのない涼やかな声とメロディーと、理性と情景のある詞に魅かれました。特に「秋の気配」が心に残りました。
鹿児島で生まれ育ち、幼い頃から絵を描くみたいにピアノで曲を作ってはいましたが、人前で披露することはなく、バンド活動もせず、奈良の大学3年の時、自作の歌がコンテストで受賞した時も、生活の不安定な音楽を志す勇気などありませんでした。
でも、ある時ふと「音楽を目指すことは、オフコースとどんなに端っこでも同じ世界でつながっていられること…」と思ったら心が急に定まって、上京したんです。
それから紆余曲折を経てデビューし、23年の月日が流れました。
作曲家を目指していた自分が「歌う」なんて思いもよらないことでした。
今回のことは、50歳になり「自分の原点に戻ってみたら?」と言われたのがきっかけです。
本来はオリジナルアルバム制作の打ち合わせだったのですが、その瞬間私は「じゃあ、オフコースの曲が歌いたい」と口走っていたのです。 スタッフの頭から「???」という吹き出しがたくさん見えました(笑)。
けれど気がつくと2週間後には「小田さんの曲を歌う」アルバム制作が決まっていました。
今、スタッフと共に挙げた曲を改めて聴いています。どれも、高校生や折々の自分をしっかり留めつつ、でも現在の私に時を越えて「今」を教えてくれる名曲ばかりで、(やっぱりオフコースを好きになってよかった!)と密かに嬉しくなるのは小田さんのファンの方々と一緒だと思います。そして、私自身を応援してくれるファンの人の気持ちも、また少しわかるようになりました。
自分の声でどこまで歌えるか不安もいっぱいですが、好きな楽曲をていねいに歌うことを心がけてレコーディングするつもりです。
これからもずっと、私の道の先にいらしてくださいね。
辛島美登里
(2012年発売当時の資料より)
#おとなのおと #辛島美登里
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