【インタビュー】「崖っぷち演歌歌手」こと秋山涼子の“崖っぷち”エピソード①


2021年5月に放送された、テレビ東京「家、ついて行っていいですか?」に出演し、自らを“崖っぷち演歌歌手”と称する秋山涼子は、自身の写真がラッピングされた宣伝カーで全国各地を巡り、様々な出会いを通じて歌を届ける活動を行っている。


<現在の秋山涼子ラッピングカー>


現代において、SNSやサブスクでヒットが生まれる時代に逆行する、まさに“昭和ライク”でアナログな活動でヒットを目指しているが、現在のコロナ禍において、彼女の真骨頂ともいえるダイレクトにユーザーへ訴えかける活動ができず、まさに“崖っぷち”に立たされている。


コロナ禍以前は、全国をラッピングカーで回り歌を届ける活動を20年以上にわたり行っていたが、テレビ番組の「家、ついて行っていいですか?」のように、“なぜか不思議な出会いを引き寄せてしまう”彼女のこれまでと、全国を回る中で起こった出来事や、人との出会いから生まれたエピソードを聞いてみた。


<前回のインタビューはこちら>


●秋山さんが歌手を目指したきっかけは何ですか?


ちびっ子のど自慢で数々の賞を頂き「いつかは歌手に」という夢は11歳の頃からありましたが、より現実的に考えるようになったのは、高校卒業の年、実家の隣で起こったプロパンガスの爆発から貰い火で全焼してしまい、子供心に「私が歌手になって稼いで親を助けるしかない」と思うようになりました。そんな甘い世界ではないのはわかっているのですが、そんな時に母が今の事務所の松井義久先生の所へ“間違い電話”をしまして、歌を聴いて頂いたことがきっかけです(笑)


●大変な経験をされていますが、デビューのきっかけが“間違い電話”だったとは秋山さんらしい。その秋山さんといえば、自身の写真と新曲のタイトルが入ったラッピングカーで全国を回る活動をされていますが、いつ頃から回り始めたのですか?


初めは手書きで歌のタイトルと自分の名前を書いて走っていました。その後、顔写真の入ったラッピングカーにしたのは、2001年に発売した「木曽の御岳・岳次郎」という曲で、通信カラオケに本人映像が入った時に思い切ってやりました!


<当初はカッティングシートで文字だけだった>



●ラッピングカーにしたのは誰のアイディアだったのですか?


私のアイディアです。コンサートツアーとかで楽器を積んでるトラックとかを見て「あぁいうふうに宣伝しながら全国を走れないかなぁ」と思うようになったのがきっかけですね。


●ラッピングの費用はいくらぐらいかかる?


今乗っているものは、前作のラッピングも残して新曲も加えた形なので少し安く上がりましたが、それでも20万円弱はかかってしまいますね。


●とにかく知ってもらう活動とはいえ、大きな出費ですね。とはいえ、このラッピングカーで回る活動で様々な出会いもあったと思います。テレビ番組の「家、ついて行っていいですか?」のように、秋山さんはどこか不思議な縁を引き寄せるパワーがある方だと思うのですが、これまでの全国を回る活動の中で、印象に残るエピソードをいくつか教えて頂けますか?



【エピソードその1】


「忘れ物して着物が着れないハプニング 」~新潟、十日町での思い出~



千葉県松戸市の“矢切の渡し”で有名な矢切にあるお蕎麦屋さんは、親子で歌が大好きで私のコンサート、ディナーショー、健康ランドの歌謡ショーなど、いつも応援に来てくれていました。そのお蕎麦屋さんのママが新潟のご出身で、弟さんが十日町の懐メロの会の人を知っているからとご紹介頂き、その懐メロの会に呼んで頂いた時の事です。


十日町は着物で有名な町なので、私が持っている着物の中で一番高価な着物を選んで車に積み、準備万端で走って行きました。リハーサルも終え、後は着物に着替えて本番を待つばかりと、着物が入っているスーツケースを開けてみてビックリ!着物の下に着る長襦袢が見当たらないのです。長襦袢がないと着物を着ることが出来ないので、車の中を何度も探しましたが入っておらず、完全に忘れたんだと認識したのは本番の30分前。ショックで真っ青になりましたが、車移動を長くやっているおかげで、違うイベントで着る豪華なドレスを積んでいたのです。


即座に髪を洋装に直してドレスに着替えステージに向かいました。トークの時に、「実は一番良い着物を見て頂きたかったのですが、長襦袢を忘れて着物が着れなくなりました。本当に、そそっかしくて申し訳ありません!」と言うと、会場から大爆笑が起こりましたが、演歌歌手が着物を忘れるなんて前代未聞!?の出来事ですが、イベントのスタッフの方が「襟だけでも」と家に取りに帰ってくださり、何とかエンディングにはお借りした襟を付けて着物で登場しました。イベントの打ち上げでも、バンドの皆様や役員の皆様にも、強烈な印象だったようで、真っ先に私の名前を覚えて頂き、その後のお仕事にもつながりました。


(つづく)



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